
寂心さんの樟木。さん、は熊本城から車で20分ほど北側のあたりに、おおよそ800年も住んでいる。1人暮らしなのに、大所帯のような佇まい。1本なのに森である。私は43年生きて、10回ちょっとも引っ越しているのに、800年、ずっと同じ場所。動かないものがあるから動いたものがわかるのか!ずっと同じ場所にいながら、周りがどんどん変化していったであろう、映像を早送りするように変わっていったこの100年、かもしれない。ウエスト13m、身長29mと安定の体型になるまで、人々の暮らしをずっと隣で観察してきた樟木さん。目を瞑って、樟木さんの小さな頃の環境ってこんなかな。って想像しながら、はるか過去に旅して、それから、目を開けて真っ直ぐ目の前にいる800歳。どんどん新芽を出して枝も伸ばし続けている姿、感じとれる聡明さが、言葉にできない私の大切な感覚になった。物質ではない、自分の糧になる時間や、感覚。過去と今と未来を含む大きな存在として、生きているだけでお互い、許されていた。ような気がする。会いに行ってとても良かった。