
数年ぶりに20センチほど積もった雪がやっと昨日溶けて土や少しだけ顔を出した草たちの色が戻ってきました。雪や寒いのはとても苦手ですが、色とりどりだった世界が白く塗り重ねられた時、少なくなって厳選された色がより鮮明に見え、そして濃淡/明暗が強くはっきりと浮かび上がってくる色の世界はとても好きです。今までは寒いと、それ!堂々と家の中で篭れるぞ。と思っていたのですが、今年は、雪が降ろうが雨だろうが、体調が少々すぐれなかろうが、山羊たちのごはんを山に探しに行く任務。があるので、初めの頃は、嫌だなぁ寒いなぁと思いつつも、重い足取りで、そして重防寒着で裏山に入っていたのです。するとどうでしょう。雪が降った後の山の中のそれはそれは美しいこと。静けさと共に、凛とたたづむ木々たち。雪をたくさん背中におんぶしつつ冷たさに耐えている、のか、久しぶりだねと仲良くしているのか、今年も水を運んできてくれてありがとうと言っているのか、とにかく、森と雪。どちらも拒絶していないのです。雪がたくさん降った日に、森に足を踏み入れたとき、無垢な白い一面に人間の私。が足跡を残すのに躊躇するほど神聖な世界、2日目になると動物が動き始めたのか少し足跡が増えて安心して入らせてもらったのでした。こんな景色がすぐそこにあったなんて…。山羊が来なければ見ることができない、見ようとしなかった世界、また山羊先輩に教わってしまったのでした。寒い雪嫌だ、その気持ち、ちょっとだけ撤回し反省します。